ドラマで取り上げられた「トランスジェンダー」とは?LGBTQも併せて解説

ドラマで取り上げられた「トランスジェンダー」とは?LGBTQも併せて解説

韓国ドラマ『梨泰院クラス』の日本版として、現在放送されている『六本木クラス』。その六本木クラスの登場人物「りく」がトランスジェンダーだったことが話題となってます。

ところで、みなさんはトランスジェンダーについてどれくらいご存知でしょうか。また、最近耳にするLGBTQ 意味や性同一性障害との違いはあるのでしょうか。言葉は知ってるけど、説明ができないという方も少なくないでしょう。

そこで今回は【ドラマで取り上げられた「トランスジェンダー」とは?LGBTQも併せて解説】と題して、ご紹介していきます!

セクシュアルマイノリティについて

トランスジェンダーは、セクシュアルマイノリティの1つです。トランスジェンダーについてお話する前に、まずはセクシュアルマイノリティについてご説明します。

セクシュアルマイノリティは、

  • 身体としての性
  • 性自認
  • 性的志向

の3つが複雑に組み合わさることで定義づけられています。

セクシュアルマイノリティの要素①:身体としての性

身体としての性とは、染色体などから判断できる性別のことです。つまり、その人間の思想などとは関係なく、医学的な意味で男性か女性かということになります。

セクシュアルマイノリティの要素②:性自認

性自認とは、「自分をどのように認識しているか」という意味の言葉です。例えば、身体的な性が男性の方が自分を男性と思っているのであれば、性自認は「男性」となります。一方、身体的な性が男性で自分を女性と認識している方の場合、性自認は、「女性」となります。

男性・女性という2つの性別にこだわらない方もおり、性自認は多様性に溢れています。

セクシュアルマイノリティの要素③:性的指向

性的指向とは、どのような人を恋愛対象または性愛の対象にしているかを意味する言葉です。同性を愛したり、恋愛対象と性的対象が違ったり、そもそも恋愛対象がいないという方もいます。

トランスジェンダーとは

トランスジェンダーとは、性自認が身体的な性と異なる状態のことを意味しています。そのため、自分自身がその違いに違和感を感じ、苦しんでいるケースが多く見られます。そして、トランスジェンダーは広義の意味での「トランスセクシュアル」と「トランスヴェスタイト」、「狭義の意味でのトランスジェンダー」といった種類が存在しています。

2022年7月13日の兵庫県神戸市議の勉強会でトランスジェンダーの男性に対して不適切な発言があったことも問題となっています。

トランスセクシュアル

トランスセクシュアルについて、英語では大きく二つの意味をもっているといわれています。

まず1つが、身体的な性と性自認が一致していないことについて違和感、不快感を持っているため外科的手術を望んでいる状態を指します。もう1つが、性別を適合させる手術を受けた状態の方を意味します。

トランスセクシュアルの特徴は、自分自身の性と認識している性別に対して強い違和感を持っているということ、自分はどんな人間なのか、ということを悩んでいる状態の方ということです。

トランスヴェスタイト

トランスヴェスタイトは、クロスドレッサーとも呼ばれ、身体的な性とは異なる服装をする方のことを指します。

狭義のトランスジェンダー

狭義の意味のトランスジェンダーは、「トランスセクシュアル」と「トランスヴェスタイト」の定義を含んでいない、これ単体の定義ということで、性自認と周囲から見られている性が別の場合を意味する言葉となります。例えば、性自認が女性であったとしても、周囲からは男性と思われている状態は狭義のトランスジェンダーです。

トランスジェンダーと性同一性障害の違い

性同一性障害(DIG)は、人の個性や性質を表すものではなく、「心と体の性別に違和感を感じる障害」ということです。また「精神科で診断を受けた人」を指すことも多いようです。精神科での診察や「障害」と名称がついているように、医学用語として扱われ、公的な手続きをする際には重要視される傾向があります。

トランスジェンダーと性同一性障害は、かなり近いイメージがありますが、そもそもの在り方が違うため混合しないように注意が必要です。

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LGBTQとは

最後に、LGBTQについても触れていきたいと思います。LGBTQは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとったもので、一般的にセクシュアルマイノリティと呼ばれる方の総称として用いられています。

  • L:レズビアン(女性の同性愛者)
  • G:ゲイ(男性の同性愛者)
  • B:バイセクシュアル(両性愛者)
  • T:トランスジェンダー(自己の身体の性別と心で自認する性別に違和感のある人)
  • Q:クエスチョニング(自分の性別や性的指向を探している、迷っている、揺れ動いている状態の人)

Qは、クエスチョニング以外にも性的マイノリティを総称する言葉として用いられることのあるクィア(queer)とされることもあります。

まとめ

様々な面で多様性が認められるようになり、セクシュアルマイノリティは以前に比べて多くの注目を集めるようになりました。実際にLGBTQの方の割合は、3%〜10%とされています。左利きの割合がおおよそ10%ほどと言われているので、学校の40人クラスであれば4人ほどはいるということになります。セクシュアルマイノリティの方たちに対して、正しい理解をした上で、変に気を使いすぎず1人の人間として接していくことが必要ですね。