星新一の生涯とおすすめ作品3選!現在のライトノベルのひな型?

ョートショートの神様、SF(サイエンス・フィクション)史における重要な存在などとして紹介される小説家といったら『星新一』ですね。

非常に読みやすくあっさりとした文章でありながら、数多くの柔軟な発想。

その生涯で1,000編を超える作品を遺しています。

星新一とは一体どんな人物であり、どのような作品を遺していったのか、まとめていきたいと思います!

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星新一のプロフィール!生涯について

星新一 wiki

名前:星 新一(ほし しんいち)本名は「親一」
生年月日:1926年(大正15年)9月6日
出身:東京市本郷区駒込曙町

なり昔の人物ですし、なによりも東京市という単語にも馴染みがありませんね。

東京市について調べてみると、どうやら現在の東京23区に該当する場所だそうです。

都会生まれの製薬会社社長の息子とは、なかなか恵まれた環境で羨ましいと思ってしまいました(笑)

ちなみに、祖父は東京大学名誉教授であり、人類学の第一人者である小金井良精(こがねい・よしきよ)で、祖母は森鴎外(もり・おうがい)の妹の喜美子(きみこ)だそうです。

なんだか生まれた時点で大物感が漂っているような……

1950年には東京大学院を中退し、当時経営が悪化していた星製薬会社に短期間ではありますが、星製薬会社取締役社長、副社長となりました。

会社を大谷米太郎(おおたに・よねたろう)に引き継いだ後に、レイ・ブラッドベリの『火星年代記(火星人記録)』を読み、大きな感銘を受けSFへの強い興味を持ちます。

レイ・ブラッドベリ

そして「空飛ぶ円盤研究会」に所属し、そこで知り合った柴田拓美(しばた・たくみ)らと日本初のSF同人誌である「宇宙塵」(うちゅうじん)を刊行。

この「宇宙塵」第二号に掲載された「セキストラ」が江戸川乱歩編集雑誌「宝石」に転載され、商業誌デビューを果たします。

ここから数多くの執筆活動をおこなっていきますが、1997年、間接性肺炎によりこの世を去ってしまいます。

星新一のおすすめ作品3選!あえてボッコちゃんは紹介しない!!

てさてデビュー前までのプロフィールだけでもかなり濃い内容となってしまったのですが、肝心の作品はこれとは逆にかなりさっぱりとした文体のものが多いです。

しかし、内容もさっぱりとしているのかといわれると、
そうではないのが星新一の魅力です!

このあたりは、やはり実際に読んでみて頂くのが手っ取り早いでしょうか?(笑)

火星航路「天国からの道」の中の短編です。

<あらすじ>
火星へと調査に向かう主人公達メンバーは打ち上げ当初は火星への期待やエリートな経歴などの自慢等で盛り上がっていたのですが、いかんせん火星までは片道で何か月も掛かる上に宇宙船自体もほとんどは自動運転なので、そのうち全員暇を持て余しはじめ……

といった内容なのですが、世界観が本当にきれいです。
そして登場人物も、とてもピュアで読み終えた後にはきっと心から癒されるかとおもいます!

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セキストラ「ようこそ地球さん」の中の短編です。

<あらすじ>
「ある種の弱い電流を発生させ、人体の一部に取り付けることで性的、もしくはそれ以上の快感を与える装置」について時系列にまとめた資料。

といった形のもの。
地の文や会話文といったものは存在しない、資料を追っていく形で物語は進むのですが、これがまたなかなかブラックでSFな内容です。

そして、星新一の商業誌デビュー一作目ですので、ぜひ目を通してみたいところですね!

声の網

<あらすじ>

電話に聞けば、完璧な商品説明にセールストーク、お金の払い込みに秘密の相談、ジュークボックスに診療サービス、なんでもできる。便利な便利な電話網。ある日、メロン・マンション一階の民芸品店に電話があった。「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る…」そしてそのとおりに、強盗は訪れた!12の物語で明かされる電話の秘密とは。
公式サイトより引用

こちらは連作短編であり、一つ一つのエピソードがつながっていくという形で物語が進行していきます。

電話網とは、つまるところ今で言うインターネットです。

たとえば蕎麦が食べたくなったとして、電話に「おい、蕎麦を食べたいんだが」といえば、蕎麦を代わりに注文し持ってきてくれるそんな素敵なサービスです。

このサービスが大きな事件を起こしていく訳ですが、なんとこちらを執筆されたのはなんと1970年だそうで。

今読んでも物凄く面白いのですが、当時インターネットの無かった時代にこんな話が作れてしまう発想力にはただただ驚くばかりです!

星新一は現在でいうライトノベル作家のひな型?若い世代から大きな支持を得た秘密

わゆる小説というジャンルは、インテリの嗜む趣味と捉えられがちで、実際の小説においても小難しい言葉で綴られているものも多いです(決してそれが悪いという訳ではありません)。

しかし星新一は、できるだけ多くの若い世代に読んでもらおうという事で、SFにも関わらず出来るだけ日常で使う言葉を選び、またあっさりとした表現で伝わりやすくなるよう努めたそうです。

そのことから、当時から小中学生を初めとした若い層に絶大な人気があったそうです。

なんとなく現代のライトノベルにも似たような流れですね。

星新一本人も、SFではなく童話作家と呼ばれる事を喜んでいたそうで、もし当時ライトノベルというジャンルがあったとすればそう名乗っていたのかもしれませんね。

最後にまとめ

かがでしたでしょうか。

星新一というショートショート作者を紹介してみましたが、本人の紹介をしようとしてみると全くショートにはなりませんでしたね(笑)

執筆作品が1,000以上という莫大な量になりますのでとても紹介しきれませんし、どれがオススメかといわれると悩みに悩んでしまいます。

しかし、星新一の魅力として読みやすくそう長い作品もありませんので、どの本を読んでも一定以上の満足感を得られるのではと思います!

是非この機会に、星新一の本を手に取ってみてはいかがでしょうか。