何がなんだかわからない?!新しい野球の指標を徹底調査

WBCの第5回大会で日本代表が優勝し、改めて野球への注目が集まっている2023年シーズン。久しぶりに野球の情報を見聞きした方が困惑するのが新しい指標が増えていることでしょう(WBCから野球を診始めるようになった方には余計に訳がわからない指標が並んでいると思いますが)。毎日のように野球のニュースを見ている筆者でも説明できない指標が多く、なってきています。

そこで今回は比較的新しい野球の指標を調査、まとめていきます!

打者指標

まずは打者の指標からまとめていきます。

OPS

OPS(On–base plus slugging)は目にする機会も増えている指標かと思います。OPSは出塁率+長打力で計算され、計算が簡単な割に得点との相関関係が非常に高いこと。打率で比較するよりもOPSを基準に打線を組んだ方が得点に結びつきやすいとされています。

ちなみに、OPSの目安は.800が強打者、.900がリーグを代表する選手、1.000を超えればMVP級とされています。

ちなみに、2022年三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆選手は1.168を叩き出しました。

BABIP

BABIPは「本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合」のことで、本塁打以外の安打から本塁打、犠打以外の打球を除いて算出されます。式で書くと【BABIP = (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 三振 – 本塁打 + 犠飛)】となります。

この指標は打者の運を示すと言われており、ヒット性のあたりもファインプレーで阻まれた、などの理由で上がり下がりします。

WAR

WARは(Wins Above Replacement)と示すように、「代替可能選手を上回る勝利数」です。簡潔にいうと、同じポジションの選手に比べて、どれだけ勝利に貢献したかを表す指標であり、この数値はチームの勝利と直結する数値として見られています。

評価基準については6.0以上がMVP級、4.0以上で侍ジャパン級、2,0以上はスタメン・レギュラー級、1.0以下となると控え、0未満は他選手で代替可能とされています。

2022年で最も高い数値を記録したのは三冠王に輝いた村上宗隆選手で10.3、続いてオリックス・吉田正尚選手の6.2でした。ともにチームをリーグ優勝に導く活躍をしていたことがわかりますね。

投手指標

続いて投手の指標をまとめていきます。

WHIP

投手指標で有名なものがWHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)です。これは(被安打+与四球)÷投球回で計算することができ、1イニング当たり何人の走者を出したかを示す指標です。1.2を切ればチームのエース級、1.0を切れば球界を代表するエース級と言われています。

2022年最も優れたWHIPを記録したのは、シーズン歴代最少与四球の11を記録した日本ハム・加藤貴之投手で、0.91でした。投手四冠に輝いたオリックス・山本由伸投手も0.93を記録しています。

K/BB

K/BBとは、一つの四球を出す間に幾つ三線を奪うのかという指標です。奪三振と与四球は守備や球場の影響を受けないため、運に左右されにくい投手の能力、特に制球力を表す指標とされています。 好投手ならば一般的にK/BBが2.00を下回る事が少なく、優秀な投手は3.50を超える事が多いとされています。

QS(HQS)

先発投手が6回以上を自責点3以内に抑えた場合に記録される指標をQS(クオリティスタート)といいます。先発登板した試合におけるクオリティスタートの割合をQS率といい、先発投手の最低限の責任の目安になっている。同様に、7回以上を自責点2以内で抑えることをHQS(ハイクオリティスタート)といいます。

この指標は分業制が確立するMLBの先発投手にとって自らの責任をどれだけ全うしたのかの判断基準となっており、重宝されています。

ちなみに、2013年に田中将大(楽天)が24勝0敗を記録した際は、QS率100%と、全試合でしっかりと試合を作ったとわかる数値を叩き出しています。

最後に

今回は打者、投手それぞれの聞き慣れない指標についてまとめてきました。野球のデータ化が進み、それについての評価を与えていくためにも新しい指標が必要になっているようですね。

なかなかテレビのニュースでは取り上げられない指標ですが、これらを知っておくことで今後出てくる選手や、逆に引退が近いのかも、と疑われる選手がわかるようになるかもしれませんね!