俊足自慢のプロ野球選手の紹介で時々耳にする「50m〇秒〇〇」という数字。中には陸上選手よりも速い数字が出てくることもありますが、「それっておかしいのでは?」という声も。
今回はプロ野球選手の50m走タイムについて紹介します。
塩見泰隆は6.0秒
東京ヤクルトスワローズの外野手で、2021年、2022年の連覇に大いに貢献したリードオフマン、塩見泰隆選手は、社会人時代に「50メートル6.0秒」と紹介される事が多かったようです。
2021年、2022年にシーズン20盗塁を記録した俊足自慢の塩見選手。ですがこの50メートル6秒という記録は、野球選手の公表記録としては決して飛び抜けた数字ではありません。
「陸上選手よりも速い」野球界のスピードスターの“速さ”を「50m走のタイム」で判断していいのか問題 – プロ野球 – Number Web – ナンバー (bunshun.jp)
周東佑京は5.7秒?
学生の体力テスト種目にもなっている50m走ですが、一方で陸上競技などでは少し距離が短すぎて、あまりプロアスリートが正確に記録に残すということは多くないようです。
そのため、2023年のWBCでも日本代表の一員に名を連ね、その俊足っぷりで世界を驚愕させた風岡ソフトバンクホークス、周東佑京選手の50m走の記録もはっきりとした記録は見当たりませんでした。
周東佑京選手の50m走のタイムについては一説によると5秒7と言われているようですよ。NPBを代表する俊足、周東選手ですが、この5秒7をも凌駕する数字を叩き出した選手がNPBにはいるようです。
並木秀尊は5.32秒!?
2020年のドラフト2位で東京ヤクルトスワローズに入団、2023年には82試合に出場するなど近年頭角を現し始めている並木秀尊選手も俊足が自慢の選手です。
ただ、並木選手の場合は少々やりすぎとも言える、とんでもない数字を叩き出していますよ!その数字は、5秒32!大学3年生の秋に参加した日本代表候補合宿の50m走計測でその記録を出しています。
【ヤクルト】ドラ5・並木秀尊 驚異の俊足を見せつける (youtube.com)
野球選手の50m走はおかしいのか
50m走の日本記録は、100m10秒02の記録を持つ朝腹宣治選手が残した5秒75とされています。50メートル走 世界記録は人類最速の男とも言われたウサイン・ボルト選手が2009年に記録した5秒47とされていますよ。
並木選手の場合は世界記録にさえ勝ってしまっていますが、流石に並木選手がボルト選手よりも足が速いとは考えづらいですよね。
並木選手が参加した大学日本代表合宿では、実に13人もの選手が5秒台のタイムを残していたそう。正確性に欠けるタイムの計測方法を行っていたことが、野球選手の50m走の記録がやたら速く出てしまう理由なのかもしれません。
野球選手と陸上選手が激突した事例も
2022年1月に放送されたバラエティ特番「超プロ野球ULTRA」では、塩見選手ら俊足自慢の野球選手達4人と、陸上選手の桐生祥秀選手、小池祐貴選手が室内50メートル走で激突しました。
バラエティの一企画ではありましたが、結果は小池選手が6.065秒、桐生選手が6.069秒、野球選手の中でトップの記録だった塩見選手は6.31秒と、陸上選手が野球選手を圧倒していましたよ。
五十幡亮汰は5秒42?
最後に、北海道日本ハムファイターズの韋駄天、五十幡亮汰選手についても紹介します。五十幡選手は中央大学時代に50m5秒42という記録を残しているようです。
勿論五十幡選手についても、この数字をそのまま信じていいかと問われると微妙なところではありますが、五十幡選手の場合は陸上選手とも走力で渡り合えるだろうという根拠はあります。
「サニブラウンに勝った男」
実は中学時代、全日本中学校陸上競技選手権大会に出場していた五十幡選手。なんと当時100m、200m走でサニブラウン・アブデル・ハキーム選手を抑えて二種目制覇を達成しているのです!
50m5秒42とまではいかなくとも、五十幡選手がNPBでトップクラスの走力を持っていることは疑いようもありませんね。
最後に
今回はプロ野球選手の50m走タイムなどについて紹介しました。
「野球選手の50m走の記録はおかしい」とたびたび言われることはありますが、手計測での記録ということであれば「正確ではない」というだけで嘘というのもまた違うのかもしれません。
陸上選手の試合のように正確に測れる機材がどこにでもあるわけではありませんからね。